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事故と破綻/ブログの移行(加筆2) [状況と認識]

ブログの移行


ブログの題名を変えて、新しい『彦坂尚嘉の《第200次元》アート』に移ります。

移行は2011年1月元旦からです。

『彦坂尚嘉の《第200次元》アート』の記事は、
2011年1月1日
以降、下記をクリックして下さい。


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事故と,破綻



このところコンピューターの調子が悪くて、苦しんでいて、太田丈夫さんにご尽力をいただいて、マックにOS5をいれたりしていました。

この作業とは別の原因で、外付けのハードディスクが壊れてしまいました。

ハードディスクに集中して保存していて、しかもバックアップをとっていないという愚かな事をしていたので、壊滅しました。

一応データー救出の専門家に送ったのですが、重傷で無理との事。

失われたものの中には、毎日オークションで制作していた画像作品もあったのですが、それもすべて失われました。

出力して作品になっているものだけになりました。

ですので逆に言えば、買ってくださった方々の作品は、それしか無いという希少性が格段にあがったのです。どうか、大切にしてください。飽きたりして不用になったものは買い戻しをいたしますので、ご連絡ください。
hiko@ja2.so-net.ne.jp


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破綻はコンピューターの事故だけではなくて、人間関係にも及んでいます。

その原因も実は根が深くて、生きている空間の大きさの違いが重要だという事に気がつかされています。今までも何度も繰り返されていることなのですが、《群れ》という小さな空間に生きている人たちが、私には理解不能の行動と選択をとるのです。

《群れ》という小さな空間に生きている人たちというのは、政治家の実例で言うと鳩山由紀夫や、菅直人です。

鳩山由紀夫の発言が宇宙人であると言われています。

菅直人が外交音痴であるのは、尖閣諸島問題で露呈している事です。日本の国益を損なう政治をする首相というのは、何なのでしょうか。市民運動から出現した首相の、視野の狭さ、頭の鈍さは、日本の社会を衰退させ破壊して行くものとなっています。今日の民主党政治の混迷の、大きな原因と責任は、菅直人にあるのです。

彼らの空間感覚が、実は自然採取の原始人が持っている20人から120人の《群れ》の世界の空間の大きさであるというのが、彦坂尚嘉の言語判定法による判断なのです。

しかし人間の顔を一枚の絵画として見て、それに様々な言葉を投げかけて判断するという、この彦坂尚嘉の人物分析は、多くの方々から非難されているものでもあります。ですので相手にしてくださらなくてよいですが、日本の社会には、鳩山由紀夫や菅直人のような、奇妙な人たちがいるのも事実なのです。この奇妙さはなんなのか? そして菅直人首相のような政治性も外交性もない愚かさは、どこからくるのか?

こういう人は、政治家だけでなくて、美術の世界にも多いのです。

これらの人は、奇妙に小さな空間の強い直接性のリアリティの中に生きていて、今日のグローバルな広い社会的な視野がとれないのです。作家になろうとしながら、しかし作家にはなりたくないようです。作品は売りたいとい言いながら、実は売りたくない。小さく、密やかに生きたいようなのです。しかもそれは強烈なエゴイズムに満ちたナルシズムの個人主義なのです。それは日本人のかなりの人間に及ぶものであって、縄文時代のような少人数の原始共同体的なリアリティの直接性の中を生きていることを示しているように思えます。しかもそれが、すでに述べたようにナルシズムに満ちたエゴイズムなのです。

さて、そういう訳で、来年は、新しい方針で、新しい展開をしたく思っています。

喪失の傷は深くて大変ではありますが、その喪失に対応するだけの成熟を成し遂げたいと思っています。『喪失と成熟』というのは、自殺した文芸評論家・江藤淳の名著です。私たちは、喪失する過程を経て成熟の道を歩むのです。彦坂尚嘉が、はたして成熟の道を歩み得るのか?
成熟して行くために、彦坂尚嘉はどれほどの喪失を感受していけるのか? 
それが試されるのです。

それはまた彦坂尚嘉個人の問題ではなくて、日本社会の2011年でもあるように思っています。社会という《第1次元 社会的理性領域》が、重要性を増してきます。美術でも重要なのは《第1次元 社会的理性領域》なのです。《超次元 名品領域》や《第41次元 戦争領域》だけでは、問題を起こすのです。

社会の基本は《第1次元 社会的理性領域》であることを再認識して、社会に奉仕し、貢献するためのブログ活動であり、そして気体分子ギャラリーの活動でありたいと、改めて思っています。社会奉仕としての美術制作、そして社会貢献としての芸術作品でありたいと思います。

本年は、多くの不手際があり、試行錯誤の連続でしたが、このブログと、気体分子ギャラリーの活動を見てくださり、さらにご購入いただいた多くの方々に深く感謝いたします。

みなさま、良いお年をお迎えください。

                       彦坂尚嘉

日本の状況について [状況と認識]

古手のギャラリーさんと久しぶりに話したのだが、日本の美術界の状況はひどくて、

北朝鮮の近未来での崩壊 [状況と認識]

韓国高官「金総書記死後2、3年で崩壊」と公電
読売新聞 11月30日(火)11時50分配信
 【ワシントン=黒瀬悦成】「ウィキリークス」は29日、韓国の玄仁沢統一相が昨年7月、キャンベル米国務次官補に対し、北朝鮮の金正日総書記が「2015年以降は生存していないだろう」との見通しを伝えたことを記した公電を公開した。

 別の公電では、韓国政府高官が今年2月、駐韓米大使に対し、金総書記が死亡すると北朝鮮の体制は、「2、3年」で崩壊すると断言したとしている。

 この高官は、中国は北朝鮮の核放棄に向けた6か国協議に真剣に取り組んでいないと指摘。その根拠として、中国政府は「最も無能」で、「北朝鮮や不拡散について何も知らない」武大偉氏を同協議の首席代表に選んだことを挙げた。

 一方、29日のニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、昨年2月に上海の米総領事館が発した複数の公電は、北朝鮮に詳しいとされる中国人の専門家が、金総書記の三男、正恩氏が後継者になるとのうわさに関し、「若すぎて経験不足」との否定的な見解を示したと記述していた。
最終更新:11月30日(火)11時50分


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2010年代後半に北朝鮮が崩壊するという専門家の予想は、
信憑性の高いものだと、私は思います。
北朝鮮の崩壊によって、極東アジアの情勢は劇的に変化するでしょう。それは中国の国内政治の変動も連動させるものかもしれません。

中国の援助による崩壊の回避もありえるでしょうが、どちらにしろ、激変の2010年代という時代ではあります。

〈群れ〉の人々 [状況と認識]

たくさんの人間とつきあってきましたが、出会いも多くありましたが、分かれもまた多くあるのです。

最近続けて複数の別れが発生していますが、その共通性に〈群れ〉の人々であるという特徴があります。

〈群れ〉

北朝鮮と韓国の戦争(加筆2) [状況と認識]







今日は原宿の大木裕之さんのところで、昨日に続いて出演者のパフォーマンスを見ていたのですが、その中に柳下毅一郎氏の「戦争と殺人について」のレクチャーがあったのですが、その最後の方に、北朝鮮と韓国の砲撃戦の報道が入ってきました。

柳下毅一郎氏は、「戦争は割にあわない」とする理性的な論理は優れていると思いましたが、2010年代になってからのきな臭い雰囲気がアジアに漂い始めたこともまた、事実ではあります。戦争が割にあわないにもかかわらず、軍備の増強が進んでいることも確かであって、割にあわないのなら軍備も割にあわないはずなのに、中国でも朝鮮でも軍備の増強は進んでいるのです。

ソヴィエとが滅びたにもかかわらず、アジアには中国と北朝鮮という時代遅れの共産主義国家が残っているのであって、この歴史的な異物と言うか、遅れの問題は柳下毅一郎氏の理性的な論理だけですむのかどうか、不安はあります。なによりも中国ですらが遅れてきた産業革命をやっている段階であって、こうした不均衡がある中での軍事的緊張があるのです。

日本の政治や社会の崩壊現象の進行もまた、戦争へとつながらないとも言い切れないものを持っています。大木裕之さんは、戦争で死ぬのを回避するためにチベットをイメージしているようですが、脱出の可能性を探しているようです。今回の催しの題名にもそういうことが示唆されています。それを間違いという気はありませんが、どこで死ぬのか、何を守って死ぬのかということも考える必要くらいはあります。

中国人も朝鮮人も、日本が侵略して痛めつけたことを覚えているのであって、この記憶は教育によって若い人にも伝えられています。過去の事実からは脱出できない面があるのであって、その逃げられない事実から逃亡していくとき、そこに開かれている世界には可能性はあるのでしょうか。大木裕之さんに続いて、たくさんの日本人が海外に脱出していく。そしてその脱出組が増えて、最終的には日本人全員が日本から脱出して、日本は空っぽになる。そこに中国人が入ってきて、日本列島は中国大陸に併合される。そういう事態になって、世界中から日本人が軽蔑されて、脱出した日本人に石を投げる。最初に石投げで殺されるのは大木裕之さんとなって、その記事が新聞に載る。そういうストーリーも悲しいものです。

いまさらチベットに逃げなくても良いのではないでしょうか。どうせ死ぬなら、日本でも良いし、とにかくなんでも良いから逃げないで、過去を引き受けて死ぬ。そういう惨めさや、無意味さの方が良いのではないでしょうか。


新庄剛志(野球選手) 絵描きになる [状況と認識]

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新庄剛志さん 「絵描きになる」と言い残して南の島に消えた

NEWS ポストセブン 11月10日(水)10時5分配信

 日本シリーズの興奮冷めやらぬ中、かつてその舞台で躍動したあの名選手の意外すぎる近況が飛び込んできた。元北海道日本ハムファイターズの伊達男・新庄剛志(38)が、南の島に行ったまま長きにわたって姿を消しているというのだ。芸能関係者を中心に、その噂は瞬く間に駆け巡った。

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 ある芸能プロ関係者がいう。「どうやらただの旅行じゃないんです。新庄さん、周囲に“オレは絵描きになる”と言い残して消えてしまったらしい。その島の中でも、“絵描きが集まる村”“芸術の村”として有名な場所にいるらしい」

 2006年の引退以降、新庄は常人には予測できない“迷走”を続けていた。2007年には、長年連れ添ったタレントの大河内志保と離婚。タレント活動を続けながらも、地方競馬の馬主になったり、実業家を名乗ったり……。しかし今年5月、映画『僕たちのプレイボール』のエグゼクティブプロデューサーを務めて以降は、表舞台から遠ざかっていた。

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 その間、新庄が決意したのが「画家転身」だったのである。新庄に近しい別の芸能関係者がいう。

「新庄さんにとって、画家になるのは現役時代からの夢だったんです。引退以降、少しずつ絵を描きためはじめ、3年前には北海道や福岡で絵の個展を開いているほどです」とどうやら、その腕前も折り紙付き。

「彼はエアブラシという塗装スプレーで様々なテーマを描き分ける。個展を開いた当時は、自画像や車の絵などが中心でしたが、最近のテーマはもっぱら自然。彼自身が南国の風景にハマっていることもあり、半ば移住状態になっている。仕事のある時だけ帰国するという感じらしい。あれは相当マジですよ」(前出・芸能関係者)

「画家SHINJO」について詳しく聞こうと、事務所に尋ねると、海外に行っていることは認めたものの、詳細については「ノーコメント」と回答を避けた。

※週刊ポスト2010年11月19日号


タグ:新庄剛志

TPP(環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定) 騒動 [状況と認識]

今回のTTP参加をめぐる騒動に対しては、私自身は自由貿易に賛成なので、反小沢に回ることになります。


戦後の日本の農業政策には多くの問題があって、簡単に論じられないにしろ、現在の日本の低迷を乗り切って行くためにも、農民保護政策はマイナス以外いの何ものでもありません。

日本の農業を国際化し、国際市場で戦って行くことをサポートする政策をとらない限り、日本社会の根底的な変動は生み出せないのです。

小沢一郎が、このTTPに反対するところに、小沢一郎の限界があまりにも明確に現れています。この騒動を契機に、民主党を解体し、本格的な政界再編に至る事を望みます。

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田原総一朗の政財界「ここだけの話」


民主のTPP騒動、鳩山・小沢系議員が大反発

2010年10月27日

 民主党がいま、環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加をめぐり、大揺れに揺れている。国内の農業を守るのか、自由貿易によって日本経済を活性化するのかの議論で党内を二分しそうな気配すら漂っている。

「TPPへの参加を目指す」と語る菅首相だが……

 TPP(Trans-Pacific Partnership)とは、2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国によって始まった自由貿易協定(FTA)の一種である。将来的にはすべての品目で原則として関税を撤廃することを目指しており、現在、アメリカやオーストラリアなど9カ国が参加しようと交渉を進めている。

 国際ビジネスを次々と展開している韓国はFTAを積極的に進めている。米国とのFTA合意に続き、今年10月に入って欧州連合(EU)と正式署名をしている。それに対して日本はといえば、きわめて後ろ向きの姿勢である。

 菅直人首相は10月1日、今臨時国会の所信表明演説で、「環太平洋パートナーシップ協定交渉等への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指します」と述べている。私は、この所信表明演説で最も重要なのがこのTPPに関する発言だととらえている。

 菅首相は当初、「TPPへの参加を目指す」としていた。ところが、農林水産省や民主党の守旧派議員が大反対したことから、発言は「参加を目指す」から「参加を検討する」にトーンダウンしてしまった。

【続きは下記をクリックして下さい】

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20101027/249903/?P=2


タグ:TPP

ポッドキャスト(Podcast)をはじめました。 [状況と認識]

ポッドキャスト(Podcast)に正式に登録をしました。
このページの向かって右にあるバナーをクリックしてください。

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栃原比比奈さんが頑張ってくれたのです。
バナーのリンクをもう少し増設する予定だそうです。

ポッドキャストというのは、、アップルコンピュータの携帯音楽プレーヤーiPod(アイポッド)と、broadcasting(ブロードキャスティング:放送するという意味)の2つの言葉を組み合わせて作られた造語です。

オーディオコンテンツを、無料購読というかたちで手元にダウンロードして、気体分子ギャラリーのつくったラジオ録音を聴くことが出来ます。

iPhonのヴォイスメモを使って、しゃべっていこうという試みです。こういう発信が他人に取って意味があるかどうかはわかりませんが、自分自身もまた最初の聞き手ですので、その限りにおいては興味深いです。


「陰の首相」仙谷由人 [状況と認識]

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《想像界》の眼で《第1〜100次元》の《真性の人格》
《象徴界》の眼で《第8次元》の《真性の人格》
《現実界》の眼で《第1〜100次元》の《真性の人格》

《現実界》の人格
液体人間=近代人
《シリアス人間》《ハイアート的人間》

シニフィアン(記号表現)的人間。
『真実の人』

 


自由民主党の政権が終わる事を、長い間待っていて、夢を見ていて、それがかなえられなくて疲れていた私にとって、市民運動家出身の管直人首相と、全共闘運動家であった仙谷幹事長の政権の成立は、時代の大きな展開で、歓迎すべきはずのものでした。

 

しかし、最近の仙谷幹事長の暴言に見られるように、それは、崩壊して行く日本をつなぎ止めるようなものではなくて、崩壊を加速するものに過ぎないのです。最初に上げた彦坂尚嘉責任の人格分析に見られるように、《象徴界》の人格が《第8次元 信仰領域》だけなので、この単層性が、問題を生んでいるのです。

民主党の代表選挙で、民主主義的に選ばれた菅直人首相が、首相の答弁も出来ない無能性を露呈しているわけですが、管首相という無能首相を選ぶシステムこそが愚衆政治と呼ばれるものなのです。そしてまた首相にかわって答弁する仙谷幹事長の人格に問題があるという、そういう人材不足の中に、日本の政治はあるのです。

 

しかし選挙による民主主義というシステムを変えられない以上、この愚劣さの中を生きて行くしか私たちには道はないのです。ならば私的に生きたいと思います。

私的には、現在の歴史変動に、日本の政治が対応していないように見えます。第2次世界大戦後の政治的な枠組みは「ヤルタ体制」と呼ばれるものでした。この「ヤルタ体制」の枠組みの中で、現在も続く「平和憲法」が作られたのです。しかし1991年のソヴィエトの崩壊によって、「ヤルタ体制」は終わりました。それによって「平和憲法」もまた、賞味期限を終えたのです。憲法改正が必要なのです。

 

しかし現在の日本で、憲法改正を成立させる政治勢力はなくなったのです。このままいけば「平和憲法」は1000年続くでしょう。しかしそれは、これから起きてくるアジアの政治軍事情勢に対する適応能力を欠いた事態になって行くでしょう。今日の新しい情報化社会の時代に適応した憲法を制定するための、思考訓練が必要なのです。


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衆院予算委 「陰の首相」仙谷氏の独演会

2010/10/14 00:24

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衆院予算委員会で民主党の川内博史氏の質問に答える仙谷由人官房長官=12日午前、国会・衆院第一委員室(酒巻俊介撮影)

 

衆院予算委員会で民主党の川内博史氏の質問を聞く菅直人首相は疲れた様子=12日午前、国会・衆院第一委員室(酒巻俊介撮影)
衆院予算委員会で民主党の川内博史氏の質問を聞く菅直人首相=12日午前、国会・衆院第一委員室(酒巻俊介撮影)
首相を差し置いて答弁する仙谷由人官房長官(右)。「陰の首相」の独演会に野党からため息が漏れた =13日午後、国会・衆院第1委員室 (酒巻俊介撮影)

 衆院予算委員会が仙谷由人官房長官の「独演会」となりつつある。質問者が菅直人首相に答弁を求めても割って入り、声を荒らげたり、けむに巻いたり、逆に質問したり…。「陰の首相」との“異名”では不満なのか、政権の「顔」として振る舞う異様な姿に、衆院第1委員室は虚脱感だけが漂った。(酒井充)

 

 「公明党の山口那津男代表が船長の釈放に肯定的な談話を出され、大変感謝しております」

 13日午後、公明党の遠藤乙彦衆院議員が尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の初動対応をただすと、仙谷氏はまず山口氏に賛辞を贈って追及をかわし、本題と関係のない宮崎県での口蹄疫(こうていえき)対策などをとうとうと説明、答弁に5分を費やした。

 仙谷氏は12日の衆院予算委初日から出ずっぱりだった。質問者が首相の答弁を求めても後ろに座る仙谷氏が手を挙げてすかさず答える。中井洽(ひろし)予算委員長は首相が手を挙げても申し合わせたかのように仙谷氏を指名。「首相に答弁を求めているんだぞ!」。野党から盛んにヤジが飛ぶが、一切耳に届かないようだ。

 首相も自らの答弁に自信がないのか、仙谷氏の代弁に満足している様子。後ろの仙谷氏を振り返りつつ、遠慮がちに手を挙げることもしばしばだった。

 12日の予算委では自民党石原伸晃幹事長が尖閣諸島への民間人立ち入りの是非を問うと、仙谷氏が「原則として何人も上陸を認めない」と答弁し、首相は「官房長官の答弁の考え方で対応することが適切だ」と同調しただけだった。

 仙谷氏は弁護士の経歴をいかんなく発揮する。肝心な部分ははぐらかし、質問者に逆質問することも少なくない。

 12日には石原氏が「弱腰外交」と批判すると仙谷氏はこう答えた。

 「別に弱腰だと思っていない。柳腰というしたたかで強い腰の入れ方もある」

 自分でもうまい言い方だと思ったのか、仙谷氏はにんまりしたが、13日になって逆襲を受けた。自民党鴨下一郎元環境相は「柳腰とは細くてしなやかな腰、多くは美人の例えだ」と誤用を指摘、撤回を求めた。

 仙谷氏は中座して不在だったが、13日午後の記者会見で「柳腰」発言を撤回しない考えを表明。理由を問われると、なぜか1905年の日露戦争の講和条約「ポーツマス条約」について5分間も独演し、「ロシアから賠償金も取れずに条約を結んだのはけしからんといって日比谷公園が焼き打ちされる大騒動に発展した。(衝突事件でも)釈放や逮捕だけ取り出してどうのこうのと声高に叫ぶことはよろしくない」と奇妙な結論で結んだ。

 仙谷氏も12日は出しゃばりすぎたと思ったのか、13日は控えめに振る舞ったが、自らのディベート能力をひけらかすような答弁に与党席にもしらけムードが漂う。いくら屁(へ)理屈を駆使して追及をかわしても国民の支持が高まることはない。



野党、一連の「仙谷発言」に猛反発 官房長官に不適格だ 健忘症なら診断書を 

産経新聞 10月20日(水)7時56分配信

野党、一連の「仙谷発言」に猛反発 官房長官に不適格だ 健忘症なら診断書を 
拡大写真
仙谷由人官房長官(左)の発言をめぐり、野党はこの日も「傲岸不遜」などと猛反発した=19日、衆院本会議場 (酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞)
 ■問責決議案も視野 

 仙谷由人官房長官の度重なる「品位を欠く」発言に対して、野党がますます反発を強めている。仙谷氏は19日の記者会見でも、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に関する仙谷氏との電話での会話内容を暴露した自民党の丸山和也参院議員を「いいかげんな人」と批判。これに対して、野党は「図に乗っている」などと、態度を一段と硬化させた。対立は激化の一途をたどり、野党は仙谷氏に対する問責決議案の提出も視野に入れ始めた。

 「乱暴な答弁が多い。自分のことを棚に上げて侮辱的な発言をする」(石原伸晃自民党幹事長)、「強圧的で傲慢(ごうまん)にみえる」(漆原良夫公明党国対委員長)、「問責決議案に値する」(渡辺喜美みんなの党代表)−。一連の仙谷氏の「乱暴」な答弁に対し、野党幹部は19日、相次いで批判の声を上げた。

 丸山氏が18日の参院決算委員会で中国漁船船長の釈放をめぐり、仙谷氏が電話で「APEC(アジア太平洋経済協力会議)が吹っ飛んでしまう。属国化は今に始まったことでない」と言ったと紹介したのに対し、仙谷氏は「健忘症なのか分からないが、会話の内容は全く記憶にない」とけむに巻き、19日の記者会見で丸山氏について、「いいかげんな人のいいかげんな発言については、全く関与するつもりはない」と反撃した。

 これが野党の怒りを増幅した。参院自民党からは「どういう理由でいいかげんだと思うのかを追及しなければならない」(世耕弘成幹事長代理)と反発。同時に「健忘症が官房長官に就くのは不適格だ」(国対関係者)と、診断書を提出させることも検討する。

 一方、民主党にも仙谷氏の言動を問題視する動きがある。14、15両日の参院予算委員会で、報道をもとにした質問を「最も拙劣」と批判したり、民主党政権を批判した官僚を恫喝(どうかつ)したとも受け取れる発言をしたりしたことについて、参院予算委の前田武志委員長(民主)は19日、仙谷氏を呼んで厳重注意。平田健二参院幹事長は同日の記者会見で「閣僚が慎重に的確に質問に答えるのは当然。迷惑千万だ」と苦言を呈した。

 仙谷氏は、前田氏に陳謝し、25日の同委で謝罪することになったが、仙谷氏は19日の記者会見で陳謝するかどうかは「次の予算委で明らかになる」と、ここでもはぐらかした。

 野党各党は20日に国対委員長が会談し、今後の国会対応を協議する。小沢一郎民主党元代表の証人喚問や中国漁船衝突事件のビデオ映像公開で足並みをそろえつつある中、仙谷氏の問題発言は菅直人政権を揺さぶる新たなカードとなった格好だ。

 自民党はさらに、衆院北海道5区補欠選挙で自民党公認候補が優位との情報があることを弾みに、攻撃をさらに強める構えだ。仙谷氏に対しては参院議院運営委員会での謝罪も求めていくほか、平成22年度補正予算案に協力する条件として自民党が提出する財政健全化責任法案を民主党が丸のみすることも迫る方針だ。


 



 


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