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総括と反省、改善、方針 [気体分子ギャラリー]

コメント欄にnegaDEATH さんよりの長文の誠実なコメントをいただいたので、オークションシステムを変更する事にしました。一ヶ月単位にして、少なくとも2週間以上、コレクターの方々に考え手いただく時間をとれるようにしようと思います。

このnegaDEATH さんの長文の誠実なコメントは、一番最後に収録してあります。

それに関連して、念頭にあたり現在の様子を総括的にご報告しておきます。



第1章 気体分子ギャラリー2010年の成果

 2011年1月現在、気体分子ギャラリーは主に5つのサイトを運営しています。

    1.彦坂尚嘉ブログ 
      彦坂尚嘉の《第41次元》アート1http://hikosaka.blog.so-net.ne.jp/
        彦坂尚嘉の《第41次元》アート2http://hikosaka2.blog.so-net.ne.jp/
        彦坂尚嘉の《第100次元》アートhttp://hikosaka3.blog.so-net.ne.jp/
        彦坂尚嘉の《第200次元》アートhttp://hikosaka4.blog.so-net.ne.jp/    
    2.気体分子ギャラリーオフィシャルサイトhttp://www.kitaibunshi.com/
    3.ショッピングサイト
      http://kitaibunshi.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=597137&csid=0&sort=n  
    4.オークションサイトhttp://gallery.kitaibunshi.shop-pro.jp/            
    5.ポッドキャスト http://geijyutu100jigen.blog.so-net.ne.jp/

 2010年は、アートフェア東京出品(彦坂尚嘉)やホテルのコミッションワークの他、彦坂尚嘉個展を2回と気体分子ギャラリー企画個展を2回(栃原比比奈/山本藍子)、フリーアート展、栃原比比奈700号作品内覧会をこなし、朝日新聞社から「空想皇居美術館」(彦坂尚嘉)を出版しました。詳しくは下記です。

1、アートフェア東京に2年連続で、ギャラリーARTより、ブースの内側の空間全部を使っ彦坂尚嘉の個展に準ずるかたちで出品(2010年4月2日-4日、東京国際フォーラム)。

2、アートフロントギャラリーからの大阪の外資系ホテルのコミッションワークとそれに関連する形で、120号大の油彩画を4点納品。

3、東京京橋のギャラリー山口と気体分子ギャラリー藤沢の2会場で、「栃原比比奈のジギルとハイド2重人格展」(2010年1月25日〜30日年1月2日〜30日

4、マキマサルファインアーツと気体分子ギャラリー藤沢で日本画出身の豚絵画/山本藍子新作個展+玄牝展」(2010年5月21日(金)〜6月01日(火)/;2010年6月04日    (金)〜6月29日(火)

5、「フリーアート」第1回展(2010年8月9日(月)〜22日(日) 於:気体分子ギャラリー    藤沢) 出品作家:高橋 堅(建築家)、糸崎公朗(写真家・美術家)、上岡誠二(東京F.A.T.)大木裕之(映像作家)、エサシトモコ(彫刻家)、中村圭一(美術家)後藤充(写真家)、ASADA(彫刻科)、太田丈夫(美術家) 北美紀(映像作家)、中川晋介(アニメター)、田嶋奈保子(美術家)栃原比比奈(美術家)、彦坂尚嘉(美術家)

6、彦坂尚嘉・五十嵐太郎・新堀学編著『空想 皇居美術館』(朝日新聞社出版 2010/5/20 : 208ページ サイズ:21 x 15 x 2.2 cm )

7、『皇居美術館』出版記念展覧会(タマダプロジェクトコーポレーション 2010年5月10日〜16日)

9、シンポジウム

トーク:都市論から皇居美術館の空想を考える
5月10日(月)タマダプロジェクトコーポレーション 

協力:朝日新聞社

若林幹夫(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
萩原剛(竹中工務店設計部)
五十嵐太郎(建築評論家、建築史家、東北大学教授)
新堀学(建築家、NPO地域再創プログラム副理事)
彦坂尚嘉(現代美術家、美術史批評、立教大学大学院特任教授)

トーク:都市論から皇居美術館の空想を考える2
5月16日(日) 
タマダプロジェクトコーポレーション 

協力:朝日新聞社

平沢剛(映画研究。明治学院大学非常勤講師)
山名善之(建築学者)
新堀学(建築家、NPO地域再創プログラム副理事)
彦坂尚嘉(現代美術家、美術史批評、立教大学大学院特任教授)

『空想 皇居美術館』(朝日新聞出版)刊行記念シンポジウム


「皇居美術館の可能性を考える」

2010年6月19日(土)会場:Bibliothèque(ビブリオテック)協力:朝日新聞社

鈴木邦男(右翼活動家)
辛酸なめ子(皇室ウォッチャー、漫画家、文筆家)
鈴木芳雄(前雑誌『BRUTUS』副編集長)
倉方俊輔(建築史家)
彦坂 尚嘉(現代美術家・立教大学大学院特任教授)
五十嵐 太郎(建築史家・建築評論家。東北大学大学教授)
新堀 学(建築家 、NPO地域再創生プログラム副理事長)

シンポジウム『芸術憲法』の起草とアートから始まる改憲運動
2010年9月3日(金)19:00~20:45 マキイマサルファインアーツ
西部邁(政治評論家)
秋山祐徳太子(彫刻家)
彦坂尚嘉(現代美術家・立教大学大学院特任教授)


シンポジウム世界の新しい美術館と皇居美術館
2010年9月5日(日)19:00~20:45 マキイマサルファインアーツ
暮沢剛巳(美術評論家)
五十嵐太郎
彦坂尚嘉

シンポジウム心の中のタブー/同性愛心中・皇居空間・憲法改正
2010年9月10日(日)19:00~20:45 マキイマサルファインアーツ
大木裕之(映像作家)
新堀学
日時:9月10日(金)19:00~20:45

また、『毎日オークション(現:気体分子オークション個展)』を始めるなど新しい挑戦もあり、そういう意味では 2010年は実り多い一年と言えます。

●毎日オークションの第一回開始日時:2010年6月23日 
●2010年の最後は、第94回気体分子ギャラリー・オークション『糸崎公朗「反-反写真」個展の7』です。2010年12月20日でした。


しかし、無計画にサイトが改良されたり、増設されたりした結果、サイト間の行き来が複雑になりすぎて分かりにくい構造になってしまったという反省点もありますと、栃原比比奈さんが反省点を語っています。


彦坂尚嘉自身の性格なのですが、戦略が無いのではないのですが、無計画というか、衝動的で、せっかちなのです。その辺は、小さくてもギャラリーを運営して行くと、ショッピングサイトへのアップがたいへんで遅れが出たり、漏れが出ています、さらに買ったくださったお客様への作品の発送に遅れが出てしまったことです。


その辺への深い反省もあるのですが、実は糸崎公朗さんが気体分子ギャラリーに作家として参加してくださるだけでなく、運営にも関わってくださるということで、改善を進めて行きたいと思います。コレクターの皆さんにはあきれられているとは思いますが、ご迷惑をかけないようにするべく努力する所存です。

 オークション運営に関する様々な問題を解決するためにも、2011年は複雑になったウェブサイトを整理し、チームワークを重視したウェブ管理/ウェブ運営を目指したいと思います。

第2章  2010年に改善された点と2011年の抱負 ]

● 2010年のWEBサイト成果

1,気体分子ギャラリーのオフィシャルサイトの更新が出来るようになった。(今までは外部の協力により運営)
2,ショッピングカートを使ってオークション作品を販売出来るようになった。
3,オークション専用のブログサイトにより、オークション参加者の個人情報や入札金額、落札金額を管理することが出来るようになった。
4,ポッドキャストにより、彦坂尚嘉トークの録音データをインターネット上にアップ出来るようになった。
5,ユーチューブに気体分子ギャラリーの活動等を紹介し、それをフリーアートとしてオフィシャルサイトに掲載することが出来るようになったことです。

 現在彦坂尚嘉の名でアップされているYouTube画像は175本です。

さらに他の人にアップしていただいたYouTube画像もあるので、
彦坂尚嘉の名で検索出来るYouTubeは218件あります。



negaDEATH様


コメントとご提案ありがとうございます。

ご希望にお答えして、オークションをひと月単位にする事にしました。

● 2011年の目標

1,作品管理や落札後の顧客情報管理、その他発送までに必要なデータ管理の体制を整える。
2,落札/注文から発送までの流れを考えた上でシンプルなマニュアルを作り、オークション規約も分かりやすくする。
3,定期的にそれぞれのサイトを更新出来るようにする。
4,英語サイト、中国語サイトをつくる。

第3章 オークションというシステム

オークションというのは、本来新作をやるものではありません。サザビーズでもクリスティーズでも、一度売られた作品の転売の市場なのです。つまり中古市場がオークション市場なのです。

ですので、気体分子ギャラリーでのオークションは、新作が出てくるので、定番のものではないのです。見た事も無い新作が出されるという事もあって、判断に時間が無くて困るという反応をいただいたのだろうと思います。
それに、私の方も、締め切り間際に作品を出してくという事も起きていて、なおさら判断刷る時間が無いのだろうと思います。

オークションというのは日本語で言うと「競売」とか「競り」というものです。それは買い手のものというよりは、売り手のためのシステムなのです。販売目的で何らかの場に出された物品を、最も良い購入条件を提示した買い手(入札希望者)に売却するために、各々の買い手が提示できる購入条件を競わせる事である。
オークションは中古品のための市場であるというような内容を書きました」が、それは現在の美術オークションの一般的な傾向を言っただけで、正確には違います。オークションは古代からある商取引方法であって、その特徴は、売値が明確に決まっていないものを、買い手がその価値を決めて行くというシステムなのです。特に貴重な物品の販売形態として古くから普及しているものなのです。良く知られているものとしては、株式市場の立ち会いや中央卸市場などでの生鮮食品の仕入れ業者などの競りがそうです。

美術界でも、19世紀の「熊の手」などが競りを開く事でモダンアートの美術市場を作ってきているのですが、しかしこれも実は仕掛けた中古作品の市場でした。つまり19世紀のから20世紀のギャラリーは主導性を持っていて、ギャラリーが決めるプライマリープライスの時代でした。同時にそれは美術評論家や大手新聞の美術記者が美術作品の価値を決める時代であったのです。

ところが1986年頃からの美術市場の変動は、オークションやアートフェアに主導の中心がうつってしまって、特に価格はオークションが主導で決定されるようになったのです。中古市場のオークションで高値が付いた作家の作品は、ギャラリーでも良く売れることになります。つまりプライマリープライス(主な値段≒定価)よりも高くオークションの値段がつくと、ギャラリーのプライマリープライスが割安になるので、コレクターは競って買うということになって、プライマリー・ギャラリーにとってもメリットが高かったのです。

オークションというシステムが、売り手の利益を優先したものでもあるにもかかわらず、お金がありあまる人々が、美術作品を高値で落札していくことが、買い手の熱狂となって舞い上がる時代になったのです。それは同時に美術評論家や美術の専門家には不評な下品な作品や大衆美術が、コレクターに高く落札される事で、社会的な評価をあげる結果になって、美術批評の力は衰弱して、コレクター中心の商業主義的な評価が時代を覆うようになって行きます。その商業化と通俗化に、美術館と学芸員もまた迎合して行ったのです。

1991年にソヴィエトが崩壊すると、アメリカが冷戦に勝ったという誤った認識がはびこって行ったのです。実際にはベトナム戦争でアメリカは敗北していたのであって、冷戦において最初に敗北したのはアメリカであったのです。しかし誤った風評の中で、インタネット・バブル、さらに2001年からのサブプライムローンバブルとも言うべきものが続いて、約20年間はが続いて、アメリカ人の過剰消費が世界中の消費を誘導したのです。

その時代、日本は「失われた10年」というデフレーション・スパイラルに見舞われて低迷していたのですが、小山登美夫ギャラリーを代表とするような新興ギャラリーは、おのおの単独で海外に販路を求めて出て行く事によって、この《アメリカの根拠無き熱狂》の波に乗ったのです。それは同時に日本の国内もまた、この海外での成功の結果に追随して、美術市場は大変動して行って、時代は新興ギャラリー先導で動いたのです。

そして2008年9月のリーマンショックで、世界金融危機が起きて、この過剰消費の20年間のバブルが終わったのです。こういう状態を過去にさかのぼってみると、一つは1973年のオイルショックで、絵画ブームが終わってから6年経った1979年に南画廊や大阪フォルム画廊等々が終わって行ったことが思い出されます。この例で見ると経済変動が実害になって現れるのは6年くらいがかかるので、今回の変動は2014年くらいから目に見える形で現れるようになるはずです。

景気が悪くなると、オークションプライスも悪くなって、そうするとプライマリーギャラリーの販売にも影響が出て来ているようです。報道もないので判断は推察にすぎませんが、日本画の市場も相当に悪くなっているようです。そして具象洋画のギャラリーも悪くなっていて、ギャラリー主導の時代の終わりは進みつつあるのです。だからといってギャラリーが完全に終わるのではないのです。ギャラリーにとっても作家にとっても、そしてコレクターにとっても、新しい情報化社会における美術時代への過渡期なのです。

こういう状況のなかで、オークションシステムは、相対的に価格の自由を実現していると、私は思います。現在の日本の崩壊した美術市場の中で、気体分子ギャラリーという作家組合ギャラリーというのが、展開して、新しい時代の芸術運動としてギャラリー活動をしていくためには、《価格の自由》というリバタリアニズム(真性自由主義)的なありようを歓迎するのです。

すでに述べたように、オークションというのは古代からある商取引方法であるのです。売値が明確に決まっていないものを、買い手がその価値を決めて行くというシステムなのです。特に貴重な物品の販売形態として古くから普及しているものなのです。ですから、美術品の新作の販売システムとしてオークションシステムを気体分子ギャラリーは取り入れたのであって、それは独創性を含んでいると考えています。

つまり新作の販売では、なかなか簡単にはオークションシステムは取り得ないのです。実際、身時かなと頃では、私は深川ラボの白濱雅也さんも誘ったのですが拒否されています。私見では、私の思想的な新しさや新しさに挑戦して行く彦坂尚嘉というものが気に入らない人々がいるのです。

私の思想的な立場はアナーキスト、あるいはリバタリアニズムと呼ばれるものであって、日本国憲法19条にも書かれている「思想・良心の自由」を大切にします。それはアーティストとして《表現の自由》《批評の自由》そして《価格の自由》を追求するものです。しかし日本人の8割の人々は、《表現の自由》《批評の自由》《価格の自由》という、自由という概念そのものが嫌いで、悪いと思っているのです。

繰り返しますが気体分子ギャラリーのリバタリアニズム的思想的な立場としてのオークションシステムなのです。



第4章 作家の変動

1991年ソヴィエト崩壊以降、美術界の変化には作家にも起きてきています。趣味と自己満足で制作する作家と、美術や芸術の追求をリアル社会のなかでの職業美術家として追求するタイプの作家の2種類に分裂して、その差が次第に大きくなっているのです。

作家としての資質が、どちらにあるのかを見極めるのはやさしくはないのですが、見極めて行く必要があるのです。

日本の場合に、多くの作家は、あくまでも自分の小さな安全な空間で、自分の満足のために作品を作っているのであって、芸術をゴッホのように追求し、学習していく存在ではないのです。先日の国立新美術館でのゴッホ展は良くできていた美術展で、ゴッホが最初《8流》の凡庸な作家であったのが、多くのすぐれた美術から学んで成長して行く様が追跡されていた美術展でした。しかし日本の作家の多くは、このようなゴッホのような学習能力そのものがないのであって、《8流》に留まって、自己満足に溺れている人間に過ぎないのです。

そのことは作品を売るという事にも現れていて、他者にゆだねていくということ、そして他者の欲望に向き合って行くという事の学習からも、逃げている人々なのです。そういうアーティストと、そうではないアーティストに分別される時代になってきているのです。

ですからすぐれた作品を作っているように見えても、それが維持出来るのは実質で3年くらいです。すぐに多くの作家は《8流》に転落します。これを乗り切るには、自己満足に溺れている事の外に出る必要があります。

気体分子ギャラリーは、作家が共同で維持しているギャラリーですので、ギャラリーの実務の作業に参加してくれない人は、無理です。重要な事は学習意欲と、この変動の時代を


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