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マキイマサルファインアーツ個展について(校正1) [気体分子ギャラリー]

マキイマサルファインアーツでの今回の個展は、社長の牧井 優さんからの発案で、白濱雅也さんを通して私に折衝され、マキイマサルファインアーツの担当の佐藤香織さんとのやり取りの中で実現したものです。

受け身に始まった事なので、当初は間伐材を使ったフロアイヴェンとを一階の1室全部に展開することを思いついていました。それと2階には、気体分子ギャラリーでのオークション作品を額装して、全部に1直線上に並べるプランでありました。

それが変更になったのは、『HISTORY LESSONS』という作品がアメリカから戻したのを見直した所、皇居美術館のプロジェクトに直結している内容なので、その展示をしたくなったのです。

皇居美術館プロジェクトとHISTORY LESSONS』という文字の作品の関連性を見直す作品展示がテーマに浮上して、急に回顧展の色合いが強くなったのです。

それはもう一つの別の面を生み出します。皇居美術館の建築模型彫刻と、その前のアトラクター・ペインティングという作品が、制作的に《規制されたオートマティズム》という方法で作られていて、その系譜を並べて見たくなったのです。

つまり皇居美術館という現在の作品にいたる系譜をたどるという、回顧展形式の展示になってしまったのです。

観客に対して良いのかどうかは分かりませんが、本人は、実はこうした系譜の流れを自覚していなくて、無意識で作って来ている面が大きかったので、自分自身がまず見てみたかったという展示になりました。

このところ建築家の高橋堅さんと親しくさせていただいていて、何回も事務所に泊めていただいて徹夜で話すということをくりかえしているのですが、その中で高橋堅さんから指摘されるのは、彦坂尚嘉がコミュニケーションや、説得を第一義にしていないという事でした。

そのご指摘は分かりますが、今回の展示でも、皇居美術館にいたる系譜を2つの経路から展示する事は、日本の現在の観客を説得するには無理があるものです。それは私自身は知っていて、観客に合わせて展覧会を構想するのなら、もっと違うやり方でなければならないでしょう。

観客の欲望をとらえる形での制作や展示というものを真剣に考えるべきであると言う指摘は正しいとは思いますが、私自身にそれができるのか? といった時に、急には方向を変えられなかったと言い訳するしかありません。

今回の展示をしてみて、私自身に成果があったと言えば、自分の制作の歴史を、皇居美術館から逆照する形で見るという方法を得た事です。できればこれを薄いものでも良いから作品集にまとめてみたいと思いました。出版状況が厳しい中でできるかどうかは絶望的ではありますが追求してみたいと思います。



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